約3分の1までコスト削減

倉庫や工場、ロジスティクスセンターなどの広い外構部などにカメラを設置する場合、通常は光ケーブルを使用します。これはUTFケーブルの最大通信距離が100mであることが理由です。しかし、光ケーブルの敷設や成端処理、関連して必要になる機材などコスト増の原因となります。

そこで、外構部の通信を無線を使って行うことで導入コストを削減する方法をご提案しています。WiFiのような無線だと弱く安定に欠ける面があり、あまり推奨は出来なかったのですが、当社で提供している無線システムは、2.4Ghzまたは5.6Ghzの比較的強力な無線で前者は見通し距離で約1.5km、後者は5kmの通信を安定して行うことが可能です。

それでは具体的に光ケーブルシステムと無線システムでのコストの違いなどを見ていきましょう。

ある倉庫の外構に10台の監視カメラを設置するという条件で両者のコストを考えてみます。共通するコスト(カメラ代やプルボックス代など)は無視してコストが異なる部分のみピックアップしていきます。そのため構内のカメラについても無視して考えます。

■光ケーブル

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光ケーブルをひく場合には上図のようなケースが考えられます。ここで必要なコストは・・・

・コンバーター

光ケーブルとUTPケーブルの変換に必要な機材でカメラ側に10機、ITV架側に10台で計20台必要となります。

コンバーター¥55,000×20台=¥1,100,000

・光成端箱

ITV架に光ケーブルを引き込んだものを整理するケースで1台必要です。

光成端箱¥30,000×1台=¥30,000

・光ケーブル(1000m)

¥450,000

・光ケーブル(2m×10本)

¥50,000

・光成端処理機

光ケーブルを切断してコネクタをつけるための処理を行うための機材です。通常、工事会社では所有していないため、レンタルするケースが多くなります。

レンタル料 ¥200,000

・労務費概算

現場や工法により異なりますが、4人で8日間を想定し、算出しています。

¥1,120,000

上記の総計は、¥2,950,000となります。

■無線通信システム(propeller)

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無線通信システムを使う場合は上図のようになります。この場合のコストは・・・

・無線通信機器

上図のように13台必要となりますので、

無線通信機器¥60,000×13台=¥780,000

・労務費概算

4人で3日間で算出しています。

¥420,000

上記の総計は、¥1,200,000となります

■結果

つまり

光ケーブル・・・・¥2,950,000

無線通信システム・・・¥1,200,000

となり約3分の1強のコストで工事が可能となります。

無線LANシステム【propeller】

屋外へ監視カメラを設置する場合は、無線通信を採用することで監視カメラ導入費を削減できるケースが多くあります。Propellerは、屋外対応で長距離通信が可能な無線LANシステムです。2.4GHz帯と5.6GHz帯のどちらかを選択できます。2.4GHz帯は、他の無線通信機器と干渉しやすいため市街地には不向きですが、気象衛星などが近づいた場合にチャンネルを変更するDFS機能がないため、そのような場合に通信が途切れることがありません。最大通信距離は見通し距離で約1.5kmとなります。5.6GHz帯は他の無線機器の干渉を受けにくいので市街地に向いていますが、DFS機能が実装されているため気象衛星などが近くに来るとチャンネルの切替が発生し、数十秒間通信が切れてしまいます。最大通信距離は見通し距離で約5Kmとなります。2.4GHzモデルと5.6GHzモデルでの冗長通信構成も可能です。

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無線による基本構成

無線による構成イメージとなります。

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ネットワーク監視カメラと無線機との接続

カメラへの電源供給はPoEにより行い、Propellerへはコンバーターを介してLANケーブルを接続します。

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無線LANの中継イメージ

見通し距離では最大1.5kmまたは5km離れていても問題ありませんが、建物などに遮られていると通信が出来ません。その場合は間に中継機を設置することで通信が可能となります。

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活用事例

Propellerは、広い敷地の外構部などでの監視カメラ設置に有効ですが、その長い通信距離を活かして回線を引き込めない場所やLTE等携帯回線が入らない場所の監視も可能となります。

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内容
・カメラ映像を光を引き込める地点まで無線ブリッジで中継しながら伝送。

メリット
・モバイル回線が入らない場所でも安定して伝送可
・月々のコストを抑えることができる。
・カメラを複数台ぶら下げることが出来る。

環境条件
・各地点にAC100V電源があること
・無線間で見通しが取れること
・無線ブリッジ間が1km以内であること

製品仕様条件
・カメラ …防水、動作温度が広いこと
・L2SW …POE給電可能、動作温度が広いこと
・ルータ …動作温度が広いこと
・無線 …256k帯域保証もしくは上り100G/月使用可能なこと