モーション検知と常時録画、録画期間などの設定について

録画形式や録画期間は監視カメラを運用する上で非常に重要な要素となります。なぜなら、コストや使い勝手に大きく影響してくるからです。

■録画形式
録画形式としては24時間365日常に録画を行う常時録画と動きのあった部分だけその前後数秒を含めて録画するモーション検知録画があります。どちらの設定にするのがよいのかは監視カメラの目的により異なります。それぞれのメリットとデメリットは以下のとおりです。

◎常時録画形式のメリット
何も動きのない場合も常時録画しているため、カメラが正常に動いており異常もないということが明確に分かる。つまり、システムが正常に稼働していることが証明可能。

×常時録画形式のデメリット
録画容量がモーション検知よりも大きくなるため、より大きな録画容量が必要となる。動きのある部分だけをピックアップするような機能がない場合には、録画データの検索性が悪くなる。

◎モーション検知録画のメリット
何も動きがない場合は録画しないため録画容量の節約ができる。動きのある所だけが録画されているため、録画データの検索性が良い。

×モーション検知録画のデメリット
録画データがない時間帯について、本当に何もなかったのかの証明が出来ない(モーション検知の不具合やカメラ、レコーダーの不具合で録画されていなかったという可能性が否定できない)。

何も異常がないということを証明するために監視カメラを設置するケースがあります。具体的には機密性の高いデータを取り扱う部屋の出入り監視などです。入退出が禁止されている特定の時間帯に誰も出入りしていないということを証明するためには、モーション検知録画は適さないため常時録画を選択するべきです。

■録画期間
録画期間は長いにこしたことはありませんが、データ容量を増やせばコストも増えるため、適切な期間を設定する必要があります。
考え方としては、何か事件やトラブルが発生した場合にその発生を把握できるまでの期間がどの程度かを検討し、それより少し長い期間の録画データを保管できるようにします。トラブルが発生したからといってすぐにそのことが確認出来るとは限りません。トラブル発生が把握できた時点でそのタイミングの映像が残っていないようでは意味がありません。

カメラの設置目的によってこの期間は異なってくるでしょう。同じ店舗内に設置するにしても出入口とレジに設置する場合は把握したいトラブルの内容は一部異なります。工場内での工程管理の場合には、お客様が購入後にトラブルが把握できるケースが多いため、相当期間の録画データを残しておかなければ意味がないでしょう。

また、録画データの品質設定も考慮しなければなりません。品質も高いほど良いに決まってますが、これも録画期間と同様に品質を高くすると録画容量が大きくなります。品質は主に解像度(映像の精細さ)とフレームレート(一秒間の画面数)で設定することになりますが、あまり動きの速くない被写体がほとんどであればフレームレートは小さくてもよいでしょう。監視カメラのフレームレート設定は秒間3~5枚あたりが一般的です。フレームレートをあげると滑らかな映像になりますが、そのような滑らかさがカメラ設置目的に必要な要素なのかを検討して決定します。一方解像度については、一番高い設定にするのが一般的です。人がいるかどうかだけ判別出来ればよいというような場合を除き、より遠くの被写体をより精細に見ることが出来るようにするには、そのカメラの最大解像度の設定にするのがベストです。